ミサにはローソクが必要です。
歌ミサなら6本、歌でないミサなら2本を灯します。
ローソクの材料はいろいろありますが、
教会では伝統的にミツバチの巣から取れたミツロウ(蜜蝋)を用いてきました。
第二バチカン公会議前はローソクに入れるミツロウの割合は各地の司教が決めていたというくらい大切にされていました。
Composition of Candles for Use in the Liturgy | USCCB
石油由来のパラフィンのローソクはつるつるしていてどうにもいただけません。
パラフィンにミツロウを入れて「ミツロウ入り」と表示されたものもありますが、ミツロウの割合は不明です。
やはり天然のミツロウ100%です。
ミツロウのローソクは美しい質感の黄色です。褪色して白っぽくはなりますが問題はありません。
海外から輸入したこともありましたが、日本でもミツロウ100%のものが以下で入手できます。
そして、ローソクを立てる燭台ですが、これはアートの世界で、バロック、ロココ、ネオクラシックと、小さな教会建築を楽しめます。
祭壇を作るとき、すべての美術洋式が同じもので統一されている必要があります。さもないと、ちぐはぐで滑稽なものになってしまいます。
ところで、ヨーロッパの教会の装飾にもよく用いられるミツバチは教会のシンボルでもあります。
聖クリゾストモによれば、ミツバチは他者のために懸命に働き、女王蜂(マリア様)に従い、交尾をしない(生涯独身で純潔を保つ)ので、まさに聖職者や修道者だというのです。
このようなミツバチが作るミツロウこそが、祭壇上の小さなロウソク燔祭(ミサの前表であるユダヤ教の燃やし尽くすいけにえ)であり、世を照らすキリストの光の素材としてふさわしいのです。